8.始動
待ちわびたよ...
昨年10月の大井競馬以後、休養に入ったミヤシロブルボン。浦和競馬場で山田調教師とお話させて頂いた限りは、順調なら年明けから再始動とのこと。1月に入って、今か今かと首を長くして出走表をチェックする日々であった。2月に入っても、なかなか登録されないので去年の悪夢を思い出し始めていた頃、やっと朗報が届いた。
1999年2月14日(日)
いつものようにJRAのホームページで、特別登録をチェック。有るではないか!「ミヤシロブルボン」。銀嶺ステークス(5歳上OPダ1,400m)、アメジストステークス(5歳上準OP芝1,800m)の2レースに登録している。名前を見た時には、思わずガッツポーズ。とにかく、無事再始動できることが嬉しかった。今週1週間は長いぞ。
1999年2月19日(金)
新井さんからも、ミヤシロブルボンの登録を喜ぶ知らせが届く。久しぶりに会う恋人を待っている心境とか。そうでしょう、そうでしょう。ダートと、芝両方に登録が有るけど、ダートは除外確実。私としては、芝で走って欲しい。
今週はグリーンチャンネルや、競馬新聞各紙のホームページをあちこち見て回った。でもグリーンチャンネルの調教ではミヤシロブルボンの調教は無し。やっぱり、準オープン馬では無理か。17日の美浦Cコースでの調教時計を見ると、正直タイムはよろしくない。新井さんも同じ感想であった。
そうしているうちにグリーンチャンネル関係者から、ご挨拶と、ミヤシロブルボンは今回は除外とのメールが届いた。?!どうも、今回は除外を見越した、権利取りの登録であったらしい。山田調教師の目標は、来週の内外タイムス杯(芝1,600m)、あるいはその次の週のアクアマリンステークス(ダ1,800m)の自己条件レースらしいことが判明した。
楽しみが1週間伸びたと思いましょう!!
1999年2月21日(日)
当然のように、内外タイムス杯に登録。さて、今週は出走できるか。中山はあらいんの地元、気合が入ります。
1999年2月25日(木)
今日のJRA出走表にミヤシロブルボンの名前を発見。故障や病気でない限り出走はまちがいなし。いよいよ、ミヤシロブルボンと再会である。どんな姿を見せてくれるのか、成長しているのだろうか、たくましくなっているだろうか、楽しみである。今週の調教では、あまり良いタイムは出ていない。3週続けて追っているが、全体の時計、上がりもタイムは不満である。なにより、調教の様子が見られないのが残念で仕方ない。
昨日の夜から雨が降り始め、早朝はかなりの雨量であった。新潟の雨のレースの悪夢があるだけに、レースの時だけは降ってくれるなと天に願う。願いがかなって、10時にはすっかり雨は上がり、晴れ間さえ見えてきた。馬場は、10時の時点では重、メインレースの時にはやや重に回復した。
4ヶ月ぶりにミヤシロブルボンに再会できることを楽しみに、いざ中山へ。5歳になってどれだけ成長しているのか。どんな姿を見せてくれるのか。期待と不安が入り交じった複雑な心境だった。
今日の出走メンバー
馬 馬 名 性 年 斤 騎手 体重 増減 1 テレマティーク 牡 8 56 菊沢徳 556 +30 2 ビゼンスバル 牡 6 57 後藤 478 0 3 クリプトシチー 牡 5 56 蛯名 432 -2 4 ゴールドジャパン 牡 8 56 沢 470 0 5 ミヤシロブルボン 牡 5 56 大塚 482 +11 6 マリアジュダムール 牡 6 57 坂井 470 +4 7 ナスケンエース 牝 7 54 池田 442 -2 8 マルゴウィナー 牡 7 56 加藤 470 -8 9 カリナン 牡 5 56 武士沢 454 -9 10 ドゥーワップ 牝 6 55 寺島 480 -4 11 ウィンラック 牡 7 56 柴田未 456 -4 12 インターライセンス 牡 7 56 村田 478 +4 13 タイキジュリエット 牝 5 54 柴田善 478 -4 14 ゲイリーキッス 牝 5 54 横山典 468 0 15 サワノフラッシュ 牡 7 56 サンダ 470 -8 16 シャダヴァン 牡 8 56 横山義 508 +26 (芝1600m 天候:曇り 馬場:やや重)
メインレース発走は15時40分。パドックに馬が入ってくるのは前のレースが始まると同時くらいである。15時5分頃に、1番の馬から順番にパドックに入場してきた。ミヤシロブルボンは4番目に入場。いつもと変わらず黄色いメンコをつけている。入ってきた瞬間は、ちょっと後肢がぎこちないと思ったけど、それも周回を重ねるうちに解消。スムーズな足さばきで、体調は良さそうである。
馬体重は、前走の大井のスーパーダートダービーから+11kgと少々重目。3週続けて、強めに調教をした割には、体重が増えている。成長分なのか、単なる太目なのか。単なる太目なら良くないが、私の見た目では若干下腹が緩いかとも思ったが、問題ない範囲と感じた。
首を振ったり、厩務員さんにじゃれ付いたり、小走りになったり、パドックの仕草は相変わらず。この点は成長していない。出走16頭のうちで一番騒がしいのがミヤシロブルボンだった。ただ、恒例のボロを、今回はしなかったのが、唯一の成長点といえる。
パドック(騎手:大塚栄三郎) 返し馬
今回も、大塚栄三郎騎手が鞍上。トマレの合図があって騎乗し、厩務員さんと笑顔で話している。今日の体調について話しているのか、どんな作戦でいこうと話しているのか。馬場入り。返し馬も迫力ある走りで、私の目の前を駈け抜けて行った。なんか、やりそうだなと感じる。
ここで、アクシデント。ゲイリーキッス(牝5)が馬場入りした直後から、全く動こうとしない。鞍上横山典騎手が蹴っても、厩務員が引っ張ってもガンとして動かない。とうとう騎手がムチを入れると、後肢で仁王立ちになり、騎手は振り落とされた。馬は返し馬もできず、引っ張られて輪乗り場へ引きずられて行った。馬も気分が乗らない時が有るものです。
レースはゲイリーキッスの動向が心配されたが、問題なくスタート。ミヤシロブルボンは好スタートで飛び出したが、すぐに先頭を12番インターライセンスに譲って、2番手に。このまま、向こう流しを追走。3コーナーで勝ち馬の8番マルゴウィナーと10番ドゥーワップが絡んでくる。1,000m通過は59秒台と、平均ペースで流れる。完全に前残りのパターンだ。4コーナー入り口で、ミヤシロブルボンの脚色が怪しくなってきた。10番が脱落し、13番タイキジュリエットが競りかけてくる。4コーナーを周った所では、既にミヤシロブルボンの位置は5〜6番手か。大外を2番ビゼンスバルが追い上げてきた所でゴール。ミヤシロブルボンは10着であった。
ゴール前、直線の攻防 軽やかに帰ってきました レース結果
着 馬 馬 名 体重 タイム/差 1 8 マルゴウィナー -8 1.35.7 2 2 ビゼンスバル 0 1・3/4 3 13 タイキジュリエット -4 1 4 12 インターライセンス +4 1 5 6 マリアジュダムール +4 ハナ 6 3 クリプトシチー -2 3/4 7 15 サワノフラッシュ -8 3/4 8 4 ゴールドジャパン 0 クビ 9 14 ゲイリーキッス 0 3/4 10 5 ミヤシロブルボン +11 1・1/2 11 11 ウィンラック -4 クビ 12 10 ドゥーワップ -4 3・1/2 13 7 ナスケンエース -2 1 14 1 テレマティーク +30 1/2 15 9 カリナン -9 7 16 16 シャダヴァン +26 2 前残りのパターンで残れなかったのは、やはり体重増が原因だろうか。前に行ったり、後ろで競馬をしたりで、なんかチグハグさを感じるのは私だけではないはず。水沢での菅原勲騎手の好位抜け出しのレースを見ているだけに。
レース後のミヤシロブルボンは全く疲れを見せず、元気そのもの。さっさと、脱鞍所に帰ってきて、さっさと洗い場に行ってしまった。大塚騎手と、厩務員さんの笑顔は何を物語っているのだろうか。レースに満足ではないはず。無事完走できた事が嬉しかったのだろうか。いずれにせよ、今回レースを叩いて体調はアップするはず。次のレースをがんばって欲しいものである。
週明けの週刊競馬ブックの大塚騎手のコメント、「体調は戻っていたのでやれると思ったが、勝ち馬に前をカットされた時にヒルんでしまった。怖がりみたいなのでシャドーロールかブリンカーをつけたほうがいいかもね」。3コーナーで手応えが怪しくなったのはそのせいか。
次は必勝!!
1999年2月28日(日)
ミヤシロブルボンの出走の興奮が冷めやらない日曜日。いつものようにJRAホームページで特別登録をチェック。有るではないですか、ミヤシロブルボンの名前が。日曜の準オープン、アクアマリンステークス(ダ1,800m)に登録です。登録35頭だから、出走できるかどうかは、神のみぞ知る、ですが。
ここらで一発...
1999年3月4日(木)
ミヤシロブルボンは、アクアマリンステークスの出走表に名前がありませんでした。16頭立て、除外8頭でした。
1999年3月8日(月)
週間競馬ブックを見ると、ミヤシロブルボンは、アクアマリンステークスを除外になっていなかった。つまり、はじめから出走投票しなかったということ。これからの準オープンを調べてみると。
2回中山7日目ブラッドストーンS(ダ1200m)
3回中山1日目船橋S(芝1600m)
3回中山3日目総武特別(ダ1800m)
3回中山4日目湾岸S(芝2500m)2500は長すぎるし、1200は短かすぎる。船橋S目標かな?3月27日 中3週で、丁度良いローテーションである。