アトラスエース「がんばる記」
1999年11月24日(水) 初冬特別 サラ系B3級
第10回川崎4日目 第11レース(ダ1,600m) 曇り 不良
出走馬
馬 | 質 | 馬名 | 性 | 齢 | 騎手 | 斤量 | 厩舎 | 前走 |
1 | 差 | ザプラウデスト | 牡 | 4 | 佐々竹 | 55 | (川)山崎尋 | 大井10/30 B3 金子正55 ダ16 4/12 493 |
2 | 追 | アトラスエース | 牡 | 5 | 張田京 | 55 | (川)大和明 | 大井10/27 ぎょしゃ座特別 張田京55 ダ16 1/14 484 |
3 | 先 | ロードシップ | 牡 | 4 | 森下博 | 55 | (川)佐々國 | 川崎10/20 特選C1 森下博55 ダ16 1/14 451 |
4 | 逃 | グレースハミリー | 牡 | 6 | 深野塁 | 55 | (川)山田正 | 川崎9/27 長月特別B3 深野塁55 ダ16 10/11 472 |
5 | 差 | シンショウフジ | 牡 | 4 | 田邊陽 | 55 | (川)八木仁 | 川崎10/22 錦秋特別B3 田邊陽55 ダ16 5/14 472 |
6 | 先 | フジノベリファ | 牡 | 5 | 河津裕 | 55 | (川)秋山 | 川崎10/22 錦秋特別B3 張田京55 ダ16 6/14 503 |
7 | 差 | トミシノハラディン | 牡 | 7 | 金子正 | 55 | (浦)冨田 | 船橋11/17 ノベンバー特別B3 金子正55 ダ17 13/14 443 |
8 | 差 | タカミローゼス | 牝 | 6 | 稲子善 | 53 | (川)長谷蓮 | 川崎10/23 白秋特別B3 桑島孝53 ダ16 10/14 423 |
9 | 差 | キョウリツキング | 牡 | 4 | 桑島孝 | 55 | (川)長谷蓮 | 川崎10/22 錦秋特別B3 桑島孝55 ダ16 11/14 405 |
10 | 逃 | タヤステンカオー | 牡 | 8 | 水久敏 | 55 | (川)金井 | 川崎10/21 丸子橋特別B3 一瀬亨56 ダ16 4/14 461 |
11 | 先 | イブキカンリンマル | 牡 | 6 | 鈴木淳 | 55 | (川)大和明 | 川崎10/22 錦秋特別B3 深野塁55 ダ16 13/14 466 |
12 | 差 | ランドネプトゥヌス | 牡 | 6 | 佐藤博 | 55 | (川)安池保 | 船橋11/17 ノベンバー特別B3 佐藤博55 ダ17 11/14 440 |
13 | 先 | ユニオンドーター | 牝 | 6 | 甲斐年 | 53 | (川)長谷茂 | 川崎10/22 錦秋特別B3 久保勇53 ダ16 7/14 492 |
足利競馬場に籍をおいて栃木競馬のB3クラスで活躍していたアトラスエース。成績が示すように距離伸びて良いその脚質は、かねがね狭い競馬場よりも、大きくて広い競馬場で走らせたいと思っていた。馬主さんもそのように判断したのであろう、この9月に南関東、川崎の大和田明厩舎に移籍してきた。そして、前走10月27日大井のC1特別戦をしっかり勝って賞金を積み、南関東でもB3クラスに格付けされた。1600mとはいえ、大井の広々した競馬場が合っていたのであろう、14頭立て、初めての競馬場という不安要素も、はねのけての快勝。今後が楽しみである。
今回は、川崎の1600m戦。初の左回りが、唯一の不安材料である。大和田明調教師も、「初めての左回りで、しっかり練習したが、やっぱりそれだけが心配」、との弁。
パドックでのアトラスエースはあいかわらず。いつもと、変わらない様子で落ち着いたもの。当日は、前走10Rが第1回リリーカップで、鞍上張田京騎手はヤマノリアルで快勝。前走大井でのアトラスエースの1着時にも騎乗してくれた騎手。調教でも、アトラスエースに騎乗してくれたそうで、既にアトラスエースを手のうちに入れているであろう。その点で不安はない。
人気は、ロードシップが1番人気。3歳時には中央にも挑戦した素質馬であり羽田盃で大敗も、前走休み明けを快勝し調子は上昇線。続いてアトラスエースが2番人気。戦績をみれば川崎のファンも納得するであろう。以下、ザプラウデスト、シンショウフジ、キョウリツキングと4歳馬が人気を得ている。前日からの雨も、午前中に上がったものの、馬場は不良。コースの内側、外側は水が浮いている。真ん中は、砂が高いのか水が無い状態。こんな馬場状態は、位置取りが明暗を分けるのではなかろうか。
レーススタート。3ロードシップが出を伺い、直後の内を1ザプラウデスト、外を9キョウリツキングが追う体勢。一方、2アトラスエースは最後方から3番手に控える。1コーナーでは1ザプラウデストが2馬身ほど前に出る。向こう正面の直線に入って、3ロードシップ、9キョウリツキングが前に追いつき、3頭横一線に。4、5馬身離されて10タヤステンカオーが4番手を追走。このまま、3コーナーへ。ここで2アトラスエースが徐々に上がってくる。
4コーナーを回って2アトラスエースは8番手あたり。コーナーで大きく外に膨らむ。初めての左回りの影響だろう。そのままコースの真ん中、馬群の大外を2アトラスエースが激しく追い上げる。しかし、トップの3ロードシップ、9キョウリツキングははるか前。2アトラスエースが追い上げて、前の数頭の集団を際どく交わしたところがゴールであった。だが、1着3ロードシップ、2着9キョウリツキングの順位は揺るがず。しかし、上がり3ハロン38.1秒はメンバー中最速のタイムである。2アトラスエースのB3クラス卒業も直ぐ目の前という印象だけが残ったレースであった。
レース結果
順 馬 馬名 体重 増減 タイム/差 1 3 ロードシップ 451 0 1.42.6 2 9 キョウリツキング 411 +6 4 3 2 アトラスエース 487 +3 2・1/2 4 4 グレースハミリー 479 +7 クビ 5 12 ランドネプトゥヌス 440 0 アタマ 6 5 シンショウフジ 484 +12 ハナ 7 13 ユニオンドーター 492 0 4 8 1 ザプラウデスト 488 -5 1・1/2 9 8 タカミローゼス 424 +1 3 10 6 フジノベリファ 507 +4 1 11 11 イブキカンリンマル 466 0 3 12 10 タヤステンカオー 462 +1 4 13 7 トミシノハラディン 443 0 クビ
レース後、大和田明厩舎を訪問。川崎の厩舎は多摩川沿いの競馬場から離れたところにあるのを初めて知った。レース後、渋滞に巻き込まれて厩舎に戻った時には既に、アトラスエースは洗い場に繋がれていた。大和田明調教師は、「レース後、張田騎手は、『やっぱり左回りで、戸惑ったのだろう。全然、ハミを取らなかった。ふわふわしていたよ』と言っていたよ。でも、レース中は3着も無いかなと思っていたけど、あそこから差してくるとはビックリした。この馬は顔つきも良いし、いい馬を置いてもらったよ」と、アトラスエースをべた誉めである。ホントは大井を使いたかったのだが、この時期の大井は他競馬場の馬が出走できないので、ここを使ったとの裏話も聞いた。足利でのレース振りや、兄妹のことを、いろいろとお話して厩舎を辞した。
次走は次回の川崎開催に登録するが、出走するか否かは馬主さんの意向次第とのこと。